第191回 昭和の森自然観察会「鹿島川の源流を訪ねて」3Hコース
開催日 
平成19年11月11日(日)曇天
担当指導員
綾富美子 須田聰恵 芳我めぐみ
参加者 
大人10名 指導員 22名
        合計32名
(報告 芳我めぐみ)
 千葉市で標高が一番高い昭和の森は「3つの川の分水界」となっています。以前歩いた小中川、村田川に続き今回は鹿島川の源流をたどります。雨の確率が非常に高く中止を考えていた観察会でしたが、昭和の森に集まってくださった熱心な皆さんと5.9kmロングコースを予定通り歩いてきました。
 昭和の森から落ち着いた町並みの残る土気本村で、保存樹木や八坂神社、半分に割ったシイの幹部分を挿してあったのが今では立派な門松ならぬ門椎になっているのを見学し、天満宮への道を曲がりました。チャの白い花がみられました。天満宮を通りから拝み、坂道を下ると田んぼに出ます。
この地点より南側にある調整池が今私たちの目で見ることの出来る鹿島川の出発点になります。田んぼの真ん中をコンクリート三面張りの水路が鹿島川になり印旛沼まで流れて行くことを説明しました。水路には生き物の息吹は感じられませんが、両側に広がる田園風景はのどかでやさしい千葉市の原風景そのものです。
林縁にはこの時期ならではの木の実、草花が観察されました。サルトリイバラの赤い実、ノササゲの紫、ガマズミ、ゴンズイ、ムラサキシキブ、コナラのドングリ、シラカシのドングリ、リュウノウギク、カントウヨメナと次々現れます。スギにからみついているサルナシは丁度食べごろの実をつけていました。高くて手が届きませんが木の下の茂みを探し数個の実を手に入れました。半分に切ってキゥイそっくりの小さな実を参加者でおいしく味わいました。市内では見ることがない自生のサルナシに感激です。皮肉にも山林の管理が放棄されたおかげで残されたものなのでしょう。1km程北上し、小さな枝谷津に入りました。谷津の北側には絞り水を集めた小さな土水路があり水路の水は鹿島川へと続いています。ここで地元の人から「この田んぼは昔千間堀と言って土気城のお堀だったんだ。」と聞きました。自然の地形を利用して堀にしていたのでしょうか?詳細はわかりませんが、なんとなく納得いく地形です。通りに出て酒井家のお墓に立ち寄り台風と落雷で裂けてしまったスダジイの大木の名残と20数基の塚に昔を偲びました。畑には落花生のボッチが並び晩秋の農村風景です。車の通らない裏道を行くと畑の隅や屋敷の境界にカミヤツデ、ケンポナシ、コウヨウサン、ノシランと観察できました。
昭和の森には事故もなく予定の時間に戻ってくることが出来安心しました。
参加者の方からも「初めて歩いたコースでよかった。」「自然が豊かに残っていてよかった。」「一人では行けないのでこういう機会に一緒に行けてよかった。」の声が聞かれました。