第181回 昭和の森自然観察会「見えないものでもあるんだよ」
開  催 
平成19年1月14日(日)
担当指導員
和仁道大 田中玉枝 岩根悦子
参加者 大人15名 子ども8名 計23名  指導員23名   合計46名
(報告 岩根悦子)
  新年初の観察会、テーマは「見えないけれどあるんだよ」。ちょっと見ただけでは見えない、でも確実に存在している生きものたち。今回はそれを参加者みんなで探しました。
 例えばチョウチョはどんなふうに越冬しているのでしょうか。オオムラサキやゴマダラチョウはエノキが食草で、エノキで幼虫越冬をしているはず。そこでエノキのそばに集まり、枯れ葉を一枚一枚めくって探しました。               
 見つけましたっ! ゴマダラチョウの幼虫がエノキの落ち葉に潜み、寒さと乾燥から身を守っていたのです。簡単には見えないが、探せばいるのだ。というわけで、生きものたちが潜む場所を考えながら探しました。クヌギの朽ち木を持ち上げると、動きの鈍い小さなクワガタが、そして冬眠中のカエルにまで出会うことができました。
枯れ葉や朽ち木など自然のものだけでなく、樹の名札やコンクリート塀の陰などにも生きものたちが潜む姿が見られましたが、中でもヨコズナサシガメの幼虫は樹名板がお気に入りで、数え切れないほど見られました。
 この日の観察会の為に秋に桜などに巻いたワラはどうなっているのだろう。参加者全員でワラをはずすと、ワラの裏は居心地がよほどよかったのでしょう。数え切れないほどのクモ、ワラジムシ、ゴキブリなど何種類もの虫がゾロゾロ出てきました。見えないけれど隠れていて、たくさんいたのです。
 厳しい寒さが和らぐ3月の下旬に花を咲かせるカタクリも、いまは何の片鱗もありませんが、2月になると芽を出し花を咲かせる準備を始め、その姿を見ることができるでしょう。ミステリアスなテーマ「見えないけれどあるんだよ」は自然のいろいろな姿を教えてくれました。