奥飛騨研修旅行
〜北アルプス日本海側の急流河川と砂防の仕組みを観、
        山間の僻地を訪れ、その歴史と人々の暮らしに触れる〜
開催日  平成19年5月20日(日)〜22日(火)
担当指導員  石嶋基次            
講 師                        
室屋清一氏(神岡町 郷土史・鉱物研究家)   
渡辺 章氏(神岡町 郷土史・自然研究家)   
田口信一郎氏 (指導員 神岡町出身)         
宿 泊                      
20日 奥飛騨温泉郷 西穂山麓 湯豊な栃林の一軒宿 「山荘 富貴」 
21日 神岡町山之村 薬師岳を遠望し、中川与一の「天の夕顔」の舞台にもなった山間僻地の村の宿「中井旅館」
参加者  指導員17名 一般6名 計23名
(報告 宇野千賀)
 この度思い掛けないご縁で御会の「奥飛騨研修旅行」に参加させて頂いたが、2泊3日の観察旅行は大変楽しく有意義な体験でした。まず始めにお世話になった田口信一郎さんとスタッフの方々に、心からお礼を申し上げます。
 快晴の中、甲府辺りから雪を頂いた富士山を始め高峰が見え隠れするようになると、目に入った草木はまだ芽吹きのものもあり正に山が笑うと言う表現がぴったり。昼食後神通川水系に設置された砂防えん堤を見学。最高の土木技術で造られた堰堤をみると、こうなる迄の先人の苦闘が偲ばれる。川沿いの自然観察は珍しい草花ばかりで、ショウジョウバカマの芽だしが見られて感激する。
 翌朝の散策ではベニバナイチヤクソウ2株を発見。クルマバソウや紅い花のハウチワカエデ等。この日は新穂高ロープウエイで展望台へ。快晴に恵まれて360度のパノラマを楽しんだ後、残雪を少し歩いて冬山の気分を味わう。午後はス―パーカミオカンデの神岡町へ。二ュートリノコーナーを見学するも私の頭では理解不能。かって鉱山で賑わった神岡の町も、今は緑したたる静かな城下町だった。
 この夜の宿は中世に「鎌倉道」と称ばれた古道に沿って開かれた『山之村』集落、ここにある中井旅館に泊る。家族ぐるみの暖かいもてなしがとても心に残った。翌朝、女性陣総出の蕨狩りも楽しい思いでのひとつ。『この冬は雪が少なかったので、いつ迄も寒いよ』と言う土地の方のお話。行程の最後は古川、高山、両市を楽しんだ後無事帰路についた。恥ずかしい程何も知らない自分を思い知らされた旅でもあった。
 この旅では田口さんの幼馴染でいらっしゃる、渡辺章さん・室屋清一さんが加わって下さり、奥飛騨に寄せる熱い想いを強く感じさせる貴重な講話(奥飛騨の自然と歴史・山之村の歴史と人々の暮らし・神岡鉱山)が伺えたのは、とても幸せな事だったと思う。お二方、有難うございました。最後に田口さんとスタッフの皆さんに重ねてお礼を申し上げます。お世話になりました。