第173回昭和の森自然観察会「春だ!トンボと遊ぼう!』
開  催 
平成18年5月14日(日)曇
担当指導員 
 互井賢二 花島伸美
 中坊陽子 寺野敏子
参 加 者 
大人12名 子ども5名 計17名          指導員28名     合計45名  
(報告 花島伸美)
 午前中、雨だったにも関わらず捕虫網や虫かごを手にした親子での参加も多く、『春だ!トンボと遊ぼう!』のテーマに期待を持って参加された方ばかりでした。
 昭和の森の春のトンボの代表として、「シオヤトンボ」「オオカワトンボ」「ヤマサナエ」がいます。
特に、オオカワトンボ、ヤマサナエは清流にしかいないので、昭和の森の環境が良好に保たれていないといなくなってしまう“環境指標種”です。
 さて、午後から雨はやんだものの、気温は上がらず、「トンボやーい!」と指導員と参加者で目を皿のようにして探しました。すると、オオカワトンボのオス一匹がうまい具合に飛んできてくれ、オスとメスの違い、トンボの顔、虫を捕らえるためのかご状になった足のトゲを手にとってじっくり観察してもらいました。その後、菖蒲田用水路で、オオカワトンボの橙色翅型のオスと無色翅型のオスとメスを観察しました。
次に、水路の砂泥底を覗いてもらい、「ヤマサナエの羽化殻探し」をしました。水際にある泥と同じ色のヤマサナエの羽化殻はヒントを出してもなかなか見つかりません。みんなで「あった!あそこ!」「どこどこ?」と、水路の底面をのぞき込む姿は、宝物探しでもしているようです。参加者が水路の側面の板にしがみついている新しい羽化殻を見つけ、倒立型でない直立型の珍しい羽化タイプと言うことで注目を浴びていました。
中菖蒲田では、トンボの標本展示が行われ、約20種のヤゴと成虫が展示されました。日本一大きいオニヤンマから、日本一小さいハッチョウトンボなど、たくさんのトンボの標本にみなさんの質問が多数集まり、参加者の目が釘付けでした。
 最後に、下夕田池で岸辺の岩にシオヤトンボが翅を広げてペタッと休んでいるのを見つけました。捕虫網を振ったところ、スーッと山側に逃げてしまいました。それをすかさず、参加者の男性がジャンプして捕獲しました。参加者から「すごい!」と、歓声が上がりました。そして、シオヤトンボの白い粉を吹いたような腹部を観察しました。
 下夕田池周辺のアシの間には、イトトンボもいました。アジアイトトンボのメスのオレンジ色した腹部やアオモンイトトンボのオスの8節目全体の青くなっているのを観察しました。
 数は少なかったけれど、参加者自ら発見し、手にとってじっくり観察でき、標本を見てトンボの世界の入口を知ってもらえた楽しい観察会でした。