研修会「九十九里浜の観察」 

2004年4月18日(日)
 初夏を思わせる4月18日(日)九十九里浜白子海岸で研修会が実施されました。
 白子海岸駐車場で講師の宮本明宜先生とお会いし、観察スケジュールをお聞きしてから観察が始まりました。浜辺の上空では「コアジサシ」の鳴き声も賑やかに恋の季節を迎えていました。
            「小鯵刺声もかぎりのラブコール」

 初めは南白亀川河口の浅瀬でハマグリ取りを行っている光景を眺め、取れたハマグリを見せてもらいました。ハマグリと言ってもチョウセンハマグリで貝の厚みが薄いものです。
 干潮時なので防波堤下部に付着しているイタホカキ・ムラサキイカイ・フジツボ等の貝類を観る事が出来ました。
 次ぎは砂浜に移動して海浜植物の観察です。濃紫色の「ハマエンドウ」、眩しいほどの「ハマニガナ」の黄色、「ハマニンニク」の分厚い葉、がっちりした「コウボウムギ」、「ハマヒルガオ」のてらてらした分厚い葉、どれも海岸の強い光と乾燥、潮風に適合したものばかりでした。
           「浜にがな日を照り返す強さかな」

 昼食前の一仕事は各人が決められた区画の中の漂着物や貝殻を拾うビーチクリーニングです。
流木や沢山の漂着物があるかと思っていたら以外にきれいでした。地元のボランティアの方々が定期的に清掃をして下さっているそうです。
 昼食後、拾い集めたゴミや貝殻類の分別を行いました。貝も色々あり名前が気になる「ウバガイ」、食べられる「チョウセンハマグリ」、器になりそうな「イタヤガイ」、獰猛な「ツメタガイ」、素敵な名前の「ワスレガイ」、アートネイルになりそうな「フジノハナガイ」、内側がきれいな「ムラサキイカイ」等を仕分けしました。ゴミの方は、缶、ペットボトル、魚の死骸、軍手等どれも人間が捨てたものばかりで何とも情けないことです。
 少し気をつければだれにでも出来ることなのに・・・。
自然を大切にしなければと改めて思いました。(計量記録を付けて町にゴミ収集を依頼。)
              「行く春や小貝はどれも淡きいろ」
   
 最後は「クジラ」探しでした。昨年、宮本先生が漂着した小型クジラ「スナメリ」の死骸を標本にするために埋めた物の掘り出しです。記録用紙から推定出来る砂浜をみんなで堀起こしてはみましたが発見出来ません。位置や深さを替えて砂堀を行いましたが気配も感じられず、残念ですが今回は終了にしました。潮風を受けながらの楽しく有意義な海浜研修会を無事終了いたしました。

文  千葉市 後藤菊子